ぐうちゃんと出会ったのは、2001年7月半ば頃だったでしょうか。
とある日曜日、外であまりに猫の鳴き声がするので、なんだろう?と門の外まで出てみたのでした。
すると、やせっぽちでひょろひょろの、ちょこっとグレイッシュに汚れた一匹の猫がヒョコヒョコと歩いていたのでした。急にどこから現れたんだろうと思うほどずっとみぃみぃ鳴いていて、私を見つけると、なぜか寄ってきました。そして、寄ってくるだけでなく、スリスリして離れませんでした。
急いで庭に戻ったのですが、時既に遅し。ついてきて、離れてくれません。
「お母さ〜ん、この子、お腹すいてるんじゃない?」
母は出てきましたが、「猫は絶対に飼わない!」と頑張っているので、「飼いたいの」とはなかなか言えません。それでも、なんとかにゃ〜くんのご飯の残りを出してもよいという許可をもらいました。

ぐうちゃん 私が部屋に入ってからも、しばらく鳴いていました。かわいそうだなぁと思ったけど、自分は普段家にはいないため、母の意見は無視できません。それでも、父に認められればもしかして?てな期待はあったのです。が、しかし…(苦笑)。
帰ってきた父に猫がいるよと話して、その頃はテラスあたりをフラフラとしていたので、応接間の窓から見せました。
「ほら!」
窓に私たちを見つけたその猫は、喜んで応接間の網戸のぼりまで披露しました(笑)。
…なるほど、網戸に昇るのは、にゃ〜くんだけじゃないのね…。
なんてくだらないことを考えながら、父の顔を見ると、
「不合格」
と言われました。
不合格?
私が不可解な顔をしていると、
「かわいかったら、飼ってもよかったけど、こいつはだめ」
だって(苦笑)。つまり、父の面接で落とされてしまったというわけ。
ま、確かにちとヤンキー面ではあるけど、すごい人懐っこいし、結構かわいいと思うんだけどね…。
ちと、鼻水と目やにがひどくて、病気持ちかも?という心配はあったんだけど。
そんなこんなで、その日はそれで終わりました。
翌日も、その猫はいませんでした。あらら?どこかへ行っちゃったのね…くらいしか、そのときは思わなかったんだけど。

バケツがお気に入り?(笑) 1、2日あけて、今度は裏口に現れました。なんとなくヒョロヒョロしてて心配だったので、鼻と目やにをとってあげて、ご飯を与えました。
裏口のドアの横にごみ用のバケツが置いてあって、偶然倒れていたのですが、一度それに入ると、どうも居心地がよかったのか、その中で眠ったりしてました。
あるとき、雨が降ってきました。裏口の方は、窓付近やドア付近にわずかなひさしがある程度で、あまりよい雨宿りのできる場所がありません。
あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。どうしよう、どうしよう、どうしようって感じでウロウロしてから、何を思ったのか、急いでバケツの中に駆け込みました(笑)。
その様子があまりにかわいくて(笑)。
最初はあまり降っていなかったのでそんな雨よけでも大丈夫だったのですが、不運にも、結構たくさん降ってきたのでした。
あんまりかわいそうなので、どうにかしてあげたい!と思い、バケツごと、家の中を通って、応接間の前のテラスにぐうちゃんを連れてきてあげたのですが…。これは失敗でした(苦笑)。
馴れないテラスは居心地が悪かったらしく、そのまま雨の中を走って裏口の方へ帰ってしまいました。
なんのために、私がわざわざ連れて行ったと思うの?という気持ち(笑)を抑えて、ドアのわずかなひさしで雨宿りをするぐうちゃんがかわいそうだったので、バケツを返してあげました。なるべく濡れないように、ドア向きにドアのひさしの中に置いてあげました。もちろん、喜んでバケツの中に入りましたけどね、まったく(苦笑)。

ドアの前でおやすみなさい…Zzzz そんなこんなで、ぐうちゃんは裏口のところにしばらく住み着いていました。
誰かが帰ってくると、スリスリしまくり、みんなから顰蹙を買っていました(苦笑)。
私は案外彼とのそんなコミュニケーションを楽しんでいたのですが、鼻水がひどいので、スリスリしながらも、鼻水を飛ばしまくるのは勘弁してほしかったです(苦笑)。毎度、ちり紙をとってきて、鼻と目をキレイにしてあげていました。

最初の頃、あんまり調子がよくなかったせいか、昼間はいつも裏口のドアの前か、どこかしらでゴロゴロしていました。
なので、ぐうちゃんと名づけられました。誰がつけたんだったかな?弟だったかな?
ぐうたら猫のぐうちゃんです。
草むらの中で洗濯場の前でゴロゴロするのが大好きよん 私は、「すけたろう」と命名したんですけど……却下されました(苦笑)。
裏庭はコの字型になっているのですが、その突き当たりのところに、その当時は古新聞の束が置いてありました。
夜は、その上で眠るのが気持ちよかったようです。

そうこうするうちに、だいぶ調子もよくなったようで。
それまでは、ゴロゴロしてばかりで裏庭から外へは出なかったのですが、外を通る人を見つけては、スリスリしに行くようになりました(笑)。
淋しかったのかな?

ん?何撮ってんの?新聞紙の上で野良猫っぽくないでしょ? 裏門のすぐ前には、近所のムトウさんの畑があります。
私がその日家に戻ったとき、ぐうちゃんは裏口にいませんでした。
あらら?どこ行ったの?
でも、なぜか声だけは聞こえてきます。
ん?
まわりを見回すと、ちょうどムトウさんのおばあさんが畑に水をまいていたのですが、水をまいている延長線上の通路のところで、きちんと座って待っているぐうちゃんの姿を見つけました。
妙にかわいかったりして(笑)。
でも、気づかれるとうるさいので、そのまま家に入ってしまいました。ご飯のときには、遊んであげたけどね。

少し元気になると、猫の本能が働くようで。
このコも例にもれず、立派なハンターでした(笑)。
カエルは追いかける、トカゲは追いかける。
あの頃は、毎日のように、裏口のドアの前にセミの屍が置いてありました。
毎日ご飯をあげているお礼のつもりだったのでしょうか?
でも、家にはいれてあげなくて、ごめんね。
一度だけ、駆け込んできたことがあったらしいけど。

家の前には市営プールがあります。
7月〜8月にかけて、ちょうど夏休み中だったので、プールは営業していました。
家のまわりには、子供たちがたくさん遊んでいるわけですが、ぐうちゃんはプールに遊びに来ている子供たちのところにも、なんだか寄っていっていたみたいですね。
ぐうちゃんがいなくなったのは、本当に突然でした。
思うに、プールに来ている子供たちの誰かが連れて帰ったんじゃないかな…と漠然と思うのです。
あのコも元気になってだいぶ鳴かなくなったし、いなくなった日には、裏口にある棚の上に飛び乗って遊んでいたみたいだから、もしかして、また旅に出たのかもとも思えますが。
これでも、私は結構かわいがっていたので、2〜3日近所を探しましたが、結局見つからず。
幸せに暮らしているのならそれでいいんですが、何しろ、人懐っこ過ぎて、誰にでもついていってしまうので、ちょこっと心配だったりして。
いじめられっこ顔だし(苦笑)。

ぐうちゃんを宜しくお願いします。 そんなこんなで、突然いなくなってまたまた淋しくなりました。
結局、ぐうちゃんがうちに住み着いていたのは3週間かな?
嵐のように通り過ぎていった猫でした。

「ぐうちゃんなんて大嫌いだから、いなくなってよかった」なんて口では言っていた母も、半年経った今、「ばかだね、あのコは。本当にどこに行っちゃったんだろうね」なんて、言ってます。
もし、ぐうちゃんを連れて行った方、あるいは、見かけた方がこの話を読んでくださったのなら、お願いがあります。
ぐうちゃんはあんな顔(笑)してますが、なかなかいい子です。いじめないであげてください。
純粋で、人間の恐ろしさを知らなくて。
多分、飼われていたのに捨てられた子だと思うけど、本当に人懐っこくて。
是非、かわいがってあげてくださいね。

そんなわけで。

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