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勝手にレビュー



Holiday by sachi
'99/05/03 UP



愛してる、愛してる、愛してる、愛してる、愛してる。
日常たくさんの「愛してる」の中、時々フッと自分を見直したいときがある。
少し離れたところから、今までの自分を見つめたい瞬間がある。

仕事も充実している。
愛するあなたもいる。
頼れる友人もいる。
素敵な家族もいる。

さまざまな人間関係、さまざまな出来事、あふれるほどの出会い、そして、別れ。
決められた24時間という時間の中で、めまぐるしく動いていく世界。流れていく「とき」。

いくつものプレッシャーに押し出されながら、少しずつココロを削っていく現代の人々。
毎日の流れの中で、時々、その流れを止めてしまいたい瞬間がある。
すべての流れを止めて、立ち止まりたい。
削られてしまったココロを、少しずつ取り戻したい。
そんな欲求の中で。

愛する人にも、友達にも、家族にも知られたくない、自分だけの時間。
誰のためでもない、自分だけの。

ココロを解き放てば、いつもの自分に戻ることができる。
限界点さえ越えなければ、いつまでも時の流れについていける。
めまぐるしく動いていく、忙しい毎日についていける。

そのために必要なのは、自分のココロの休日。
自分が自分であるための。
私が、私で、いる、ための。

疲れてしまったココロを生まれたときの状態に戻すために。
今はただ、一人、風に吹かれていたい−−−−−−。


てな感じが、私の中の「Holiday」の風景です。
これ、読み返すと、私って、相当疲れてるかも…なんて、思ったりもしますが(苦笑)。

この曲を初めて聴いたのは、言わずとしれた「アサヒ ティークオリティ」のCMです。
あの紅茶の味は好きにはなれませんでしたが、あのCMは大好きでした。サビの部分の、少し軽快とも言えるメロディは、非常に心に残るフレーズでした。

ご存知の通り、CMの時は歌詞が違っていましたね。「Close your Eyes」といって、タイトルも違います。
どういう歌詞に惹かれるかっていうのは、そのときの心理状態に因るところが大きいと思います。その頃の自分を思い返してみると、いわゆる「風になりたい」症候群でした。
あるいは、「鳥になりたい」「雲になりたい」症候群。…っていって、こんな言葉があるかどうかは知りませんが(苦笑)。
このCMバージョンの歌詞「どこにいてもあなたが好きよ、風ならば今すぐ逢えるのに」というところに、非常に自由奔放な印象を持ちますね。
風ならば、どこにでも行ける。いろいろな感情に縛られずに、ココロを解き放てる。
この頃の私のテーマは、「ココロの解放」でしょうか(笑)。

で、「Holiday」です。初めて聴いたとき、正直に言えば、がっかりしました。
CMのときの歌詞が無かったので。

でも、「Holiday」の主人公には非常に共感する部分が多かったりして。
「大好きな友達にも、愛しているあなたにも、知られたくない時間がある、気まぐれな素顔〜」
別に、普段自分を飾っているわけでは決してありませんが(笑)。

考えるに、どちらの場合もキーワードは、「風」にあると思います。
「Close Your Eyes」は、「風」に自由を求めている。
「Holiday」は、「風」に癒しを求めている。
お−、昨今流行りの「癒し」の先駆けではないですか(笑)。
「風」とたわむれることによって、心の疲れを癒し、あどけなさを取り戻す。
「風」に抱かれるように、身をまかせることで、心をリフレッシュさせる。

風。優しい風。ココロのそよ風。

木の葉の音、緑、木漏れ陽、風のざわめき、あふれる陽射し、考えただけでも、リラックスできそうですね(笑)。
森林浴、日光浴、いわゆる休日ののんびりした風景。

加えて、小川、水のせせらぎ…と歌詞にない風景を想像してしまうのは、ジャケ写のせいでしょうか(笑)。

ま、上ではかなり固い口調で難しっぽく言ってますけど、言ってみれば、「疲れてるから、癒されたいの」ってなわけで、私はこの歌が好きなんです。

こ〜ころ〜 疲れすぎた〜ときには〜♪

疲れすぎたときには、お風呂なんかでこの歌を大きな声で歌っちゃったりします(苦笑)。

中山さんが書いた詩では無いけれど、昨今の中山さんのテーマへの布石と言える1曲ではないでしょうか。


※「Holiday」のイメージがコワレタ方がいらしたら、申し訳ゴザイマセン。



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