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勝手にレビュー



追憶-Reminiscence by sachi
'99/09/23 UP



白い、透き通るような風…。
遠く、遥かに遠いどこかで、誰かの呼ぶ声がする…。
遠い、どこかで…。

目覚めると、いつも思い出すことがある。
白く、張り詰めたような空気の中で。遠い、少女の面影を…。

あのとき、君は、森に迷い込んできた天使だった。いつも一人ぼっちの僕を見つけてくれたはじめての少女。
いろいろお話したね。なんの話だったかな?他愛も無い話に笑い転げて。
僕はいつも、君を見つめていたよ。白く輝く銀世界で、いつも君の足跡を追いかけていた。

いつだったかな?君は冬が好きだと言っていたね。
氷のように冷たい水も、さすような空気も、君には、みんな優しかった。
君は森のお姫さまだからね。誰も、君をいじめたりはしなかったよ。

あれから、どれくらい経つのだろう。
君が僕を見つけられなくなってから、どのくらい…。
君は大人になってしまったんだね。あのあどけない笑顔のまま…。
街のどこかで見つけるたびに呼びかけるけど、君にはもう僕の声は届かない。

目を覚ますと、まず君のことを想うよ。
君がどこかで、僕を探してくれているんじゃないかって。
遠い、遥か昔に戻って、僕を呼んでくれるんじゃないかって。
だから…、空から粉雪を降らせるんだ。君への手紙だよ。
そしたら、少しだけ空を見上げてみて。少しだけ、僕を想いだしてみて。

ココニイルヨ…。
イツデモ、ミツメテイルヨ…。

もうすぐ、冬は終わりに近づく−−−。
僕は、行かなくてはならない−−−来年、また目覚めるために。
このまま、いつまでも少年のまま…。


僕−−−永遠に、白い世界を旅する冬の精…。

********************************************

失礼いたしました。
これは、私のイメージの世界なんですけれども。
この曲を聴くたびに、鮮明に、冬の精のイメージが沸くわけです。

季節というものには、それぞれの聖霊がいて、交代で世界を守っている−−−。
少年はいつまでも少年のまま、どんどん大人になっていく少女を想って。
切ない、本当に切ない…。
という、まあ、お伽の世界なんですけど、結構そういうメルヘンな話を書くのが好きだったりします(笑)。似合わないんですけどね(笑)。

「追憶−Reminiscence」というお話は、中山さんの中では「主人公は白髪のおじいさん。もしかしたらもう死んでしまったおじいさんで、雲の上に腰かけながら昔のことを思い出している。」てなことを、月刊カドカワ'95年11月号でおっしゃっていました(なおぴぃさんのHP Mid Blueのコーナー参照)。
それにそってお話を創ると、どうなるんだろう、と想像しています。
…私のイメージとはだいぶ乖離しているため、想像不能ですね(苦笑)。

詩には、それぞれ受け止める側のストーリーがあります。
それは画一的なものではないので、作者の意図するところとは全然違う方向へ行ってしまうことも多々あるわけですが、こういうある意味抽象的な詩は、そういう面白さがあって、いいですね。
加えて、この曲は、メロディがシンプルなところもまた想像力をかきたてる?(笑)。
こういう楽しみかたもよいのでは…?と、個人的には思っています。

というわけで、一応、私の感じるところを書いてみました。
皆様のイメージをコワさなければ、よいのですが…。
全然レビューじゃ、ありませんね(苦笑)。



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