勝手にレビュー
SWEET'N SOUR SOUP by sachi
'01/03/09 UP
少し広めのワンルームマンションの一室。
白いイメージの部屋の中。
白いカーテンは開いていて、薄暗がりから夜が明けて、だんだん空が白んでくる。
光。朝の弱い光が見え始める。
白いソファに白いテーブル。
テーブルには、つっぷして動かない中山さん。
頬には涙の跡。もう、乾いている。
眠っているわけではない。
意識はある…たぶん。でも、動かない。
…動けない。
深い哀しみ。
そのまま、時だけが過ぎていく。
そして…だんだん明るくなっていく…。
てな感じのイメージ。私の中で、この歌は、なぜだか白いイメージなのです。
色彩も吹っ飛んでしまうほどの哀しみ。
そして、このドラマティックなドラマの主役は、中山さんなのです(笑)。
中山さんって、そういう哀しみのシーンが似合うような気がしません?
この歌は「Mid Blue」に収録されているものですが、このアルバム全体を通して、ドラマティックな歌が多いですね。しかも、日常の擬似体験的なものではなくて、純粋にフィクションっぽいもの。こんな別れのシーンも、日常にあふれている風景というよりは、物語の中のワンシーン的。
加えて、歌う中山さんのハスキーにかすれる声がまた、ドラマティックを盛り上げる。
これぞ、「中山美穂」の醍醐味!といえる一曲。
少しハスキー目の、タメの歌い方。
歌っているのは、「歌手 中山美穂」だけど、その中にも「女優 中山美穂」が顔を出しているように思う。
感情のこめ方、「間」のとり方、微妙なリズム。
これぞ、「中山美穂」の醍醐味!(笑)
小竹さんの描く「中山美穂」のイメージ。「傷つくだけならいい、傷つけあうのは…イヤ」
なんか心のグっとくる言葉だと思いませんか?
「独りは慣れてる」だなんて、なんだか寂しすぎる…。
哀しげに奏でられるハーモニカに、いろんな過去を思い巡らせて。
最後まで飲んでもらえない、心をこめたあなたのための「SWEET'N SOUR SOUP」
取り残された、主人公の象徴のようで。
この歌は、私の大好きな歌の一つです。
哀しいけど、「中山美穂」の声がすごく生かされた歌。
聴いていて、思わずそのストーリーに引き込まれてしまう歌。
頭の中で、いろんなドラマを組み立てながら、まぁ、お聴きくださいな(笑)。