スペイン5つの旅
中丸 明 著(文藝春秋) 一度行ってみたい国の一つに、スペインがある。そんな思いから手にとった本、それがこの「スペイン5つの旅」である。 タイトルの通り、5つのスペインの旅が紹介されている。 「アランフェス、チンチョンにも寄り道する一日ドライブ」 マドリードから入って、まずは迷わずトレドを目指せ…ということで、ついでにアランフェス、チンチョンにも寄ってタクシーをチャーターしての一日ドライブプラン。 「ラ・マンチャ ドン・キホーテの道を往く」 スペイン最大の有名人?ドン・キホーテ、サンチョ・パンサが旅したのは、ラ・マンチャの広野である。そのドン・キホーテのたどった道を同じようにたどってみようというやっぱりドライブプラン。 「新幹線AVEで行く「聖母マリアの国」アンダルシア」 バルセロナ・オリンピック、セビリア万博のために建設された新幹線AVEを使って、マドリードからコルドバへ向かい、グラナダ、セビリアをまわる列車プラン。 「スペインならざるスペイン カタルーニャ」 スペインでいながら、カタラン語を話すカタルーニャ地方。バルセロナを中心に、ガウディ建設、ダリ絵画等を楽しむ。 「ロマネスクの美と求めて巡礼の道を往く」 スペインにはキリスト教徒にとって、エルサレム、ローマに次ぐ聖地 サンティアゴ・デ・コンポステーラがある。ここを目的地としたサンティアゴ巡礼街道と通って入ってきたブルゴーニュ系のロマネスク美術を見聞する(主にカタルーニャ地方)。 まぁ、むちゃくちゃはしょってザッとまとめると、こういう感じである(笑)。 作者はスペインにはかなり詳しいようで、穴場的な場所をおもしろおかしく書く文体が小気味よい。「ドン・キホーテ」をはじめとしたスペイン文学の引用を、独自に名古屋弁(笑)で翻訳したり、かなりワタクシ的には体に馴染んだ文章である。 また、ここに行ったら、これは食べるべき…等オススメ料理の他にそれに合うワインの説明など、なかなか美味しい話も盛りだくさん。旅行のよしあしは、食で決まるといっても過言でないとワタクシは思っている(笑)ので、これには実にソソられた(笑)。また、こういうときには、こんなスペイン語が便利などの言葉の解説も面白い。 この中でも、ワタクシ的に非常に興味深いのが、3番目アンダルシアである。頭の中に「アンダルシアに憧れて」(歌:真島某)がまわりまわってしまう(笑)。列車好きということももちろんその理由の一つだが、イスラム帝国を語るのにはずせない(?)コルドバの存在も大きい。また、コルドバといえば、パティオ。庭園や建築にも関心のあるワタクシとしては、スペイン旅行の中でははずせないもの。光と影の芸術品パティオは、アンダルシアのどこでも見られるが、特に有名なのはコルドバだそうだ。 セビリアは、オペラの舞台になったりといろいろと話題に事欠かない街(ほんまかい(苦笑))。 セビリアからグラナダへはバスを使うといいらしい。5〜6月、アンダルシアの大地には、一面にひまわりが咲き誇っている。 そして、グラナダ。はずせないのは、アルハンブラ宮殿だろう。ギターの響きを思い浮かべながら、哀愁漂う赤く染まった夕焼けのアルハンブラを見てみたい。 とまあ、書き始めたらキリが無い(苦笑)。 そんなこんなで、この本を参考にしながら、スペイン旅行プランなんか立ててみてはいかがでしょう(笑)。 |