旅行のススメ


パンフレット セントラル・ステーション
1998年 / ブラジル映画 / 原題:CENTRAL DO BRASIL /1時間51分
監督:ヴァルテル・サレス
出演:フェルナンダ・モンテネグロ, マリリア・ベーラ, ヴィニシウス・デ・オリヴェイラ 他

この作品は、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロの街でその日暮らしの生活を送る初老の女性が、偶然知り合った少年と父親探しの旅を共にするうちに、2人の間に芽生えていく心の交流を描いたロードムービーである。

たった一通の手紙が人生を変えてしまうことがある-----主人公の女性は、駅の構内で、読み書きのできない人々のために手紙を書き投函することを仕事としていたが、一つ一つの手紙に込められた想いには、何の感情も持たなくなっていた。身よりの無い少年が、会ったこともない父親に宛てた手紙がきっかけで、2人の旅は始まる。この映画は、リオから遥か遠くの地にたどり着くまで、ブラジルの美しい風景に、孤独な2人の心の揺れ動きを丹念に追っていく(パンフレットより抜粋)。


まず、タイトルの「セントラル・ステーション」ですが、これは、あらすじにもあるように、前半の部分の舞台であるリオ・デ・ジャネイロの中央駅から来ています。ここは、さすが都会の中央駅!って感じで、毎日かなりのにぎわいを見せていて、それも、なんとなくブラジルの雰囲気を醸し出しています。
ブラジルという国は、歴史的に見ると、植民地競争の真っ只中にあった国なので、先住民のインディオたちに、ヨーロッパから連れてこられたアフリカの黒人奴隷、加えてドイツ・イタリア・日本の移住民などいろんな血が混ざり合った国なのです。そんな雰囲気は、最初のリオの中央駅で、感じることができるのでは?

そして、ブラジルの自然の美しさ。
最初、「セントラル・ステーション」というからには、絶対電車の旅だと信じていて、これは車窓からの風景が楽しめるのかな?(ワタクシ、「世界の車窓から」のファンなんです(苦笑))と期待していたら、なんと旅行はバスでした(苦笑)。
でも、これがホントに美しいんだなぁ〜。
日本では考えられない広大な大地を肌で感じさせてくれます。ロードムービーだけあって、かなりこの素晴らしい風景を意識した撮影がされてる感じ。

出演者について言うなら、このジョズエ少年、すご〜く素朴で涙を誘う(笑)。いかにも少年っぽい仕草が、とってもカワイイのです。また、代書屋のドーラは、結構ムカツクおばさんで(失礼(苦笑))。コイツ、しっかり仕事やれよってなくらい、いい加減でズルイ人間なんだけど、この人がだんだん変わっていくところが注目すべきところです。
ストーリー的に見ても、一見の価値ありですよ。
パンフレットより



(99年1月現在の受賞歴)

第48回ベルリン国際映画祭(独)1998
金熊賞(グランプリ)/銀熊賞(主演女優賞)フェルナンダ・モンテネグロ/エキュメニカル審査員賞

ゴールデン・グローブ賞(米)1999 最優秀外国映画賞

サンダンス映画祭(米)1998 シネマ100・サンダンス国際賞

サンセバスチャン国際映画祭(西)1998 観客賞・新人賞 ヴァルテル・サレス

スペイン批評家団体賞(西)1998 最優秀外国映画賞

ナショナル・ボード・オブ・レビュー(米)1998
最優秀外国映画賞/最優秀主演女優賞 フェルナンダ・モンテネグロ

ロサンゼルス批評家協会賞(米)1998 最優秀主演女優賞 フェルナンダ・モンテネグロ

フォート・ローダーデール国際映画祭(米)1998 批評家賞(女優賞) フェルナンダ・モンテネグロ

第3回ゴールデン・サテライト賞(米)1998 最優秀外国映画賞

サリアット国際映画賞(仏)1998 観客賞

ユーラシア映画祭 特別賞

ハバナ国際映画祭(キューバ)1998
審査員特別賞/最優秀主演女優賞 フェルナンダ・モンテネグロ/最優秀ヤング・アクター賞 ヴェニシウス・デ・オリヴェイラ

第19回国際映画カメラ祭(マケドニア共和国) ゴールデン・カメラ賞

第6回芸術撮影国際映画祭(ポーランド)1998 金蛙賞

Prix de la Fondation Gan(仏)1998

ブラジル文化大臣賞(ブラジル)1998 最優秀作品賞

リオ・デ・ジャネイロ映画批評家協会賞(ブラジル)1998 最優秀作品賞

サンパウロ芸術批評家協会賞(ブラジル)1998
最優秀作品賞/最優秀監督賞/最優秀主演女優賞 フェルナンダ・モンテネグロ/最優秀撮影賞



OVER THE MOON 2