旅行のススメ


パンフレットナビィの恋
1999年 / 邦画 / 1時間32分
監督:中江裕司
出演:平良とみ,登川誠仁,西田尚美,村上 淳 他

舞台は、沖縄は粟国島(あぐにしま)。
東金城奈々子25歳。飛び出した都会に飽きて、島に戻ってきた。
島では、都会とは違う「沖縄離島」の毎日。祖父母のナビィと恵達は相変わらずだ。
そんな中で、ナビィの昔の恋人が現れる。昔の、引き裂かれた…。揺れるナビィとそれを見守る恵達の温かい愛情。
ナビィ、恵達をまじえて孫の奈々子、そして風来坊の福之助が繰り広げる揺れる人間模様…(なんかどっかのドラマの宣伝みたい(苦笑))。

これは、はっきり言って面白い。
タイトルは「ナビィの恋」。つまりは、ナビィおばあちゃん(79歳)の純愛物語なのである。さらには、恵達おじいちゃんのナビィおばあちゃんに対するキモチがまたまた純愛で。素敵なおじいちゃんとおばあちゃんに囲まれて、登場人物も個性豊かなキャラクターそろい。そして、沖縄の離島である粟国島。なんだか風習も古風で、私達の日常とはまた違った日々。それも何かしら魅力的で。最後には、期待通りのジーンとするラストシーン。

キャストがまたすごい面々がそろっている。
ナビィ役の平良さんは沖縄芝居の第一人者。素朴なおばあちゃんを演じきる。このナビィおばあちゃん、実に味わい深い素朴さがなんともかわいらしい。その名言として、「愛してるランド」をあげておきたい。アイルランドのことなんだけど、妙に気にいってたりして(笑)。恵達役の登川さんは沖縄民謡の大御所。登川流は沖縄最大の権威ある流派として認知されている。このおじいちゃんがまたいい。本当にかわいいといっては失礼だけど、実にいい味のおじいちゃんなのである。演技初挑戦なだけに、なんでも自然に演じられていて、実に魅力的。奈々子役の西田さんはチャキチャキのキモチのよい演技。奈々子は、私の持っている西田さんのイメージにぴったりってのもあるが、さすが演技派!!といった感じ。同じく福之助役の村上くんも登川さんと一緒に三線を弾いたりとなかなか芸達者。

もう一つポイントは、マイケル・ナイマンの音楽。
マイケル・ナイマンの音楽と、登川さんの沖縄民謡の融合。アシュレイ・マックアイザックの演奏するヴァイオリンと登川さんの三線の融合。これが不思議とマッチしてたりして。なかなか音楽的にも質の高い映画なのだ。

さてさて、映画を最初に見はじめて思ったこと。
なんとも色彩が美しいのである。
空と海の青、屋根とブーゲンビリアの赤、そして沖縄独特の白い道。監督自らがこだわりのロケハンを行って見つけただけはある、素晴らしい風景。何も無いのだけど、こんなところでのんびりできたらいいかなぁ〜なんて、思ったりして(笑)。
美しい海と空と花と緑と。大いなる自然をお楽しみください。

パンフレットより





OVER THE MOON 2