旅行のススメ


サルサ!
1999年 / 仏+西 合作 / 1時間40分

トゥールーズ。ニューヨークの音楽大学への奨学金がかかったコンクール会場で、華麗にショパンを弾きこなす24歳の若き天才ピアニスト・レミ。誰もがレミの演奏に驚嘆し、優勝は間違いないと思われた時、突然、レミの指が止まってしまう。そして、一瞬静まり返った会場に、いきなり激しいラテンのリズムが流れ出す。いこの15年、レミの心を捉えて離さなかった違うジャンルの音楽が、今、堰を切ったうぴも溢れ出したのだ。それは、サルサ!
ショパンも輝かしい未来も投げ捨てて、レミの情熱はもう止まらない。パリへ行き、知り合いのキューバ人フェリペのキューバ・バンドに参加させてほしいと頼むが、笑い飛ばされてしまう。お客が望んでいるのは"チョコレート(黒人)"つまりキューバ人の演奏であり、白い肌と美しい金髪のレミは"バニラ(白人)"だから、どんなに才能があってもダメだというのだ。
そこで、レミはキューバ人独特のアクセントをマスターし、肌と髪の色を変え、「モンゴ」として生まれ変わった。キューバ人になったのである。
サルサのステップを教えるようになったモンゴは、パリジェンヌのナタリーと出会い、恋をする。ナタリーは、モンゴのことをキューバ人と思い込んで…(笑)。てな感じのストーリーです。

きゃ〜〜〜、モンゴ〜〜〜(ハート (笑))!
し、失礼…(苦笑)。
いやいや、レミ役のヴァンサン・ルクールが実にカッコいいのである(笑)。っていうか、レミじゃなくって、モンゴだけど。変装した方。いや〜、なかなか面白い映画ですわ、はははは(笑)。笑って誤魔化す(笑)。失礼(苦笑)。

主人公がキューバ人になりすます(つまり、白人が黒人になりすます)という発想からしておかしいが、なかなかギャグな映画である。なのに、それだけでは終わらず、シリアスなところもバランスよく登場し、最後はちゃんと感動させてくれる。
主人公がピアニストで、さらにサルサのステップを教える先生をするというだけあって、さすがにサルサの音楽はこれでもかというくらい登場する。非常に楽しいノリである。あのステップ、リズムの楽しさと、キューバ人という国民性と、あの楽しさは一度体験してみたいなぁ〜と必ず思わせてくれるのでは?

実はこの映画、舞台は最初にも書いてあるが、パリである。ところが、この映画で行きたくなる場所として私があげているのは、キューバ。どうして?どうして?と思われる方も多いかもしれない。
実際、この映画でキューバの様子など、ほんの10分程度のものである。でも、その盛り上がりとエキサイティングな音楽を一度体験してみたいと思ってしまう、そんな不思議な魅力がサルサにはあるんじゃないかな…と思う。
サルサといえば、やっぱりパリじゃなくてキューバなのだ。映画「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」はすっかり見損ねたのだけど、それに通じる何かがあるんじゃないかな?
一瞬、CDを購入しようかと思った流れてくる音楽も必聴もの。ぜひ、お試しあれ。



OVER THE MOON 2