八丁味噌のふるさと 岡崎散策(愛知・岡崎) by sachi 岡崎在住の友人に誘われて名鉄が毎週行っているハイキング電車沿線コース、「八丁味噌のふるさと 岡崎散策コース」に参加してきた。以前から興味のあった八丁味噌の工場見学がついていたからだ。酒蔵と並んで興味深いのが味噌蔵。酒蔵は近所にもいくつかあるけど、八丁味噌蔵は岡崎まで行かないと見ることができない。というわけで、結構楽しみにしていた。 さて、今回のコースは名鉄東岡崎駅出発で「六所神社→岡崎市郷土館→岡崎信用金庫資料館→弘正寺→伊賀八幡宮→岡崎城→八丁味噌蔵」というもの。ちなみに東岡崎駅へは名古屋から豊橋方面行きに乗って特急で30分くらいかな? まずは東岡崎の駅へ向かう電車の中。外は雨模様。自宅を出た頃は曇ってはいたものの雨はまだ降っていなかった。……ちょっと天気が違うなぁ……と思いつつ、電車の中はハイキングスタイルの人たちであふれていた。駅に着いたら、もっとたくさんの人が(笑)。参加するといつも思うのだけど、結構こういうのに参加する人って多いのねー。なんてね。 さて、10時過ぎに東岡崎駅を出てどれくらい歩いたかな?六所神社にやってきた。ここは徳川家康公の産土神とされている由緒正しき神社であり、権現作りの荘厳な社殿は徳川3代将軍家光公により造門、楼門、神供所とあわせ国の重要文化財となっている。こんなところにこんな立派な神社が!と不思議に思ったのも束の間、そういや岡崎城といえば家康公が生まれた徳川家(松平家)ゆかりのお城。城下町にある神社の作りがこれだけ豪華なのももっともだな、と。この写真でわかるかわかんないけど、とても細かい細工の思わず写真を撮りたくなっちゃう神社なのだ(笑)。五万石以上の大名だけが許されたという石段の上に極彩色の楼門が見える。その奥に美しき社殿が…という具合に見えていくのだろうけど、今回のコースは逆で、裏側の入り口から入り、社殿、楼門を通って石段を降りた。かなり高い石段で着物を着てここを昇り降りしたのはさぞや大変だったろうと思った。 最近、岡崎はNHKの朝の連続テレビ小説「純情きらり」の舞台となっていることで、ロケ地紹介に力が入っている。ここの神社もどこかで使われたらしい。あまり最初の方は真剣に見ていなかったので、どこで使われたか思い出せないんだけど(苦笑)。 六所神社を過ぎると、乙川を越えて岡崎市役所の方へ向かう。 市役所から郷土館へ向かう途中に消防署があって、隣の建物から綱をつたって移る練習をしていた。何をするんだろう?どうするんだろう?と思わず立ち止まって見学(笑)。ただの町歩きだけど、知らない町は何かと目新しいことが目について面白い。 市役所から少し行ったところに岡崎郷土館があった。これがまた、素晴らしい建物でね。色彩感覚はちと疑っちゃうけど、それでも余りあるくらいの素晴らしさ。歴史的な建物が好きなので、非常にそそられた。その概観に。この建物は大正2年に額田郡公会堂として建てられたが、大正5年岡崎市の誕生に伴って額田郡から岡崎市に譲渡されたルネサンス様式の建物。当時では岡崎一モダンな西洋館だった。展示室として使われている講堂には、「せり上がり式舞台」の装置があって、当時評判であったとか。周辺地域の民族、歴史、考古資料が展示・研究されているものの、ワタクシ的には建物が一番興味深かった。この近くに旧額田郡物産陳列所(現郷土館収蔵庫棟)があり、この二つは日本の最初期の群立公会堂と物産陳列所であり、両者が一組で現存する数少ない例として貴重なものらしく、これも重要文化財に指定されているらしい。と後で説明書きを見て気づいた……あちゃ、旧物産陳列所の方は写真でしか見てないぢゃん…(苦笑)。 郷土館からまっすぐ伝馬通りを行く。途中で地元で有名な備前屋本店を発見。備前屋というのは「あわ雪」というお菓子が有名で、私も子供の頃、よく食べた記憶がある。お抹茶なんかによく合う和菓子だ。このあわ雪、名古屋のお土産屋さんなんかだと1本とか箱詰めとか量が結構大きいのだけど、うちは甘いものをたくさん食べる人がいないのでいつも躊躇して買うことができなかった。本店にはなんとハーフサイズが!(笑)ついでにあわ雪豆腐というお菓子も一緒に買ってみた。なかなか美味しいので一度御賞味あれ。 1kmほど歩くと(とはいえ、かなり無駄な歩き方をさせるコースだったので本当はもっと近いに違いない)、えらい美しいレンガ造りの洋館が現れる。いかにも歴史的建造物って感じの佇まいに、またしてもそそられる。これが次の目的地、岡崎信用金庫資料館らしい。この建物は、大正6年旧岡崎銀行本店として建てられ、本格的なルネサンス様式が取り入れられている。1階でなにやら展示会が開かれていたが、そのまま2階へ。2階には各国の通貨、お札のほかに昔の日本のコイン、お札なんかが展示してあった。実際、私にそんな趣味は無いのだが、これがねー。案外、楽しいのだ。見たこと無いお札とか、コインとか。大判小判があったりとか、普段目にすることは無いんだけど、テレビなんかでよく見てるやつとか(笑)。お金のコレクションって意外と楽しめる。しばし子供みたいにはしゃいじゃったかも(笑)。 岡信資料館を出て篭田公園を抜けて市民会館方面へ。友人は岡崎の人なのでここらへんは知ってるらしい。市民会館を越えると、ずっと坂道の民家が続くのだけど、上の方に変わった建物が。なんだろう?少し作りが古めかしく、これも歴史的建造物?と思いきや浄水場だった。でも、なんだか不思議な感じ。昔からあったんじゃないかと思わせる佇まいがなんだか美しい。立ち入り禁止だったので近くで見ることができなくて残念。ここらへん、お寺が多そうな地域だったけど、次に行ったのは弘正寺という地蔵寺 。水子地蔵はちょこっと怖い。なんだか連れてきちゃいそうで。背中がそわそわする感じ。早いとこ、通り過ぎる(苦笑)。 そのまままっすぐ進むと、前方にまたしても魅惑的な建物が(笑)。六所神社と似た作りの佇まい。ご社殿は極彩色の権現作り。伊賀八幡宮である。松平四代親忠が松平家の氏神として、武運長久、子孫繁栄を祈願するため、社を三重県伊賀より三州額田郡井田村へ移したのがはじまり。伊賀にちなんで伊賀八幡宮とよび、地名も伊賀と改めた。江戸時代を通して将軍家の崇敬は厚く、家康も大きな合戦の際には必ず参詣したそう。本殿、随身門、神橋などほとんどが国の重要文化財に指定されている素晴らしい建物群だ。ちょうどご社殿の中で結婚式が執り行われており、白無垢に綿帽子という花嫁さんが見えた。なんだかそこだけ時代が遡ってる感じだった。 しかし、ここも六所神社と同じで石段が高すぎ!ここは手すりもないし、ちょこっと降りるのが怖かった。 伊賀八幡宮を過ぎ、ここでようやく折り返し地点。ここからは伊賀川に沿って歩いていく。岡崎城まで2Kmのコース。 12時を過ぎたあたりから結構お腹が空いてきて、どこかいいところがあったら入ろうと友人と話していた。最初おにぎりでも持ってこようか?と言っていたのだけど、雨だったので断念。座って食べられそうに思えないし。もちろん、私はおにぎりを作ってくる気もなかったんだけど(爆)。で、歩いているとなんだかよさげな中華料理のお店を発見。ずーっと歩いてきて、初めて入りたくなるような店だった(苦笑)。城北飯店。ハーフセットでチャーハンと城北風ねぎそばを食べたのだけど、なかなか美味しかった。友達が食べた黒酢の酢豚はまっくろでなんだか面白かった。ま、適当に入ったわりには当たりだったんじゃないかな?(笑) 城北飯店から少々歩くと岡崎公園に到着。ここには岡崎城と家康館がある。岡崎城とはかの徳川家康公が生まれたお城だ。なかなか立派なお城で、中はお城にありがちな歴史資料館になっているが、ジオラマや映像を使った当時の暮らしの説明が結構面白い。お城は明治6年〜7年にかけて取り壊しとなったが、昭和34年に三層五重の天守閣と井戸櫓、附櫓が86年ぶりに復元されたそう。家康館は、家康の人間像とや天下統一の苦難の道を家康とともに歩んだ三河武士たちの生きざまを文献、絵画、武具等などの貴重な資料を通して見ることができる。江戸時代に興味があれば楽しいかもしれない。 岡崎公園は桜の名所でもあり、ちょうど4月に来たばかりだったので、今回は中に入るのはパスした。…とはいえ、そういや、家康館はこの前も行かなかったんだけどね(苦笑)。 で、最後が一番楽しみにしていた八丁味噌蔵見学。岡崎公園からはちょうど八丁の距離にある。これが八丁味噌の名称の由来だそうな。岡崎城から八丁の距離。だから、ここで作られた味噌以外は八丁味噌じゃないんだよ(笑)。 岡崎の八丁味噌で有名なカクキューの工場見学かな?と思っていたら、まるや八丁味噌の方だった。 楽しみにしていたわりには、ちょこっと呆気ない印象が。まあ、工場見学だからね。過度な期待はいけないと思うんだけど、工程についてはほとんどが工程表(看板)を前にして説明するだけ。まあ、半田の酒の文化館のような博物館じゃないから、丁寧なジオラマな説明とかを期待しちゃいけないんだけどさ。説明を受けて、見ることができたのは写真の味噌樽の上に石が積んである様子だけ。まあ、でも、これがメインっちゃメインなんだけど。ちょこっと物足りなさを感じつつも、秀吉のエピソードが残る井戸とか、「純情きらり」のロケ写真が展示してあったりとかいろいろ。どうも幼い桜子ちゃんが樽に落ちたのはここで撮影されたらしい。といっても、そこらへんは見ていなかったので何の感慨も無いのだけど(苦笑)。 味噌田楽の試食とか、八丁味噌ソフトとか、いろいろとおみやげ物が置いてあった。何も買わなかったんだけど、八丁味噌を買っておけばよかったなーと後悔。どうもうちの近所では売ってないらしい。 そんなわけで、雨の中、よく歩いたよなーと自分に感心(爆)。岡崎なんて八丁味噌以外に面白いものがあるなんて思わなかったけど、さすがは城下町。もっと興味深げな町並みがありそうだ。とにもかくにも、寺社というよりは建築様式に興味のあるワタクシとしては、結構堪能できたのではないかしら?もちろん、お城好きだし(笑)。 なんだかんだ楽しいひとときだった。 味噌蔵から徒歩3分で名鉄岡崎公園前駅。いったん東岡崎まで戻り、混んでいる特急は避けて絶対座れる急行で神宮前まで。私が爆睡していたのはいうまでもない。……つうか、よく乗換え駅で起きれたなー(爆)。 -2006.06.11-
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