にゃ〜は寂しがりやの巻  

にゃ〜はとっても寂しがりやである。みんながいる部屋に一緒にいたがるわけではないけど、必ず目に入る位置にいる。それは、ふすまの開いた居間に私たちがいるとすれば、台所のテーブルの下からのぞいているという具合に。
家族がいるところが好きみたいで。
みんなと一緒にイタイにゃー(笑) 昼間は外で遊びまわってるはずなのに、土日、居間でべちゃくちゃ親と話していたりすると、どこからともなく現れて、そんなに近くないどこかに寝転がる。あるいは、猫特有の箱座りをする。
特に9月になってからは、モドキもウッシーも、なんだか野良猫たちがこぞって来なくなっていたので、そんなことも寂しい原因だったのかも?

にゃ〜はとても優しい子だ。この前の名古屋の大雨のとき。ここらへんもすごい雨で、雷もひどく、家族は母をのぞいて、誰もその日のうちには家に帰れなかった。
母は一人で寂しいし、雷も怖いので、
「にゃ〜く〜ん、コワイよ〜」
と泣いていた。すると、雷に震えてテーブルの下にいたにゃ〜は、母を慰めるかのように、ずっと母のそばについて、手をなめていたそうだ。自分も雷大嫌いなのにね。
そういえば、私も、一人で留守番をしていて寂しいときに、にゃ〜にそばについていてもらったことがある。普段はそんなに自分からそばに来ないにゃ〜だけど、そういうときはとてもかわいいのだ。
優しいといえば、カクレンボ(笑)。
にゃ〜はカクレンボが大好きで、機嫌や気分がいいと、ニヤッと笑って、ドカドカと廊下をおっきな足音を立てて走り、応接間とか仏間とかに駆け込んで隠れる。こっちが、「にゃ〜く〜ん、にゃ〜く〜ん?」と探し回るのがウレシイらしい。でも、「にゃ〜くん、どこ行っちゃったの〜?」と困ったような声を出すと、必ずノソノソと出てきてくれるのである。
ね?やさしいでしょ?(笑)。

さて、さびしがりやに話を戻そう。
9月に入ると、にゃ〜はあんま椅子がかなり気に入り、私が帰ると、いつもそこで眠りこけていた。もう、ずぅ〜っと。夜まで。なので、私の部屋ではまた眠らなくなったのだけど。
そこで眠り続けると、そこら一体の部屋は誰も寝起きをしていないので、実は真っ暗である。人の気配は一切感じられない。そのせいか、どうかは本猫に聞いてみないとわからないけど。
フッと夜中に目覚めると、誰もいないことに気づく。寂しくなって、また私の部屋にやってくるのだ。夜はいないくせに、朝は必ず足元で眠っているのである。
あるときなど、あまり深く眠っていなかったので覚えているのだけど、夜眠るときにはにゃ〜はいないから、私は私の布団を思いっきり使って眠っている。つまり、足元ににゃ〜のスペースがないときがある。
そんなときはどうするか。
その時、私は見た。にゃ〜がお尻をフリフリするところを。
危険、危険(苦笑)。
頭ではわかっていても、体は眠っているため、動けない。
あ、イタ!
そうなのだ。アイツがお尻をフリフリするときは、飛び掛かる合図。
アイツは、私の足首に噛み付いたのである。
そして、私が足を引っ込めたところで、自分は空いた足元のスペースで何事もなかったように眠る、と(苦笑)。
をいをい、ちっともかわいく無いじゃないか(爆)。

ま、私も負けてはいないけど(笑)。
夜はいないものだからすっかり気を抜いている私は、朝、うっかりにゃ〜を蹴飛ばしてしまう。
にゃ〜はびっくりして飛びおき、窓際のにゃ〜の爪とぎ用に置いてある小さな絨緞の上に姿勢よく座っていた。
ごめんよぉ〜…。

さて、9月の半ばに私は4日間ほど旅行に行っていた。
母の話によると、にゃ〜は夜はあんま椅子で眠り、夜更け〜夜明け頃、2階にあがっていったそうだ。だけど、部屋に誰もいないのを見つけて、また1階に降りてくる。そして、母の近くに行って、さみしげに「ニャー」と鳴くのだそうだ。そんな日が続いたとか。普段、アイツはあんまり鳴かないんだけどね…。

まあ、にゃ〜くん。
やっぱり、私がいなくて、寂しかったのね(笑)。
自称恋人の私としては、とてもウレシかったりする(笑)。


2000.10.28 up
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