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Album Review


参考文献:ポポロ('97.8月号),朝日新聞,ぴあ関東版(99.10.4号)


Groovin' Blue The Remixes 1 The Remixes 2 OLIVE manifesto


『Groovin' Blue』
'97.6.21発売 キングレコード
(1)SYMPATHY (2)ANGEL SOUL (3)小さな太陽 -CARROT RED (4)YEAH! (5)PRECIOUS LOVE
(6)SHINING FOR YOU (7)嘘はやめた〜DISAPPOINTED LOVE (8)マーチカラー (9)付和雷同 -WHAT↑I↓DO-
(10)月のリング (11)優しい人 (12)RUBY IN GLASS (13)The Eternities

「またはじめの一歩からやってみたいな」さまざまにチャレンジしてきた音楽がひと区切りついた気分で、この頃の彼女はそんな心境だった。色にたとえてみるならば、それは穏やかで生命力に溢れた地球の青色−−−−。心地よいリズムと、「作詞家・中山美穂」の言葉の世界を思う存分楽しんでもらいたい。そんなアルバムだ。
何を隠そう、このアルバムは、今のところ、私の一番のお気に入りである。全体を貫くこのGroove感−−名曲の数々。
このジャケット写真から見ても、翌年カタチとして明確に現れてくる「癒し」の最初ではないか、とも思える。
「ANGEL SOUL」から続く3曲は、知らず知らずに踊ってしまう。ライブでノリたい逸品。「嘘はやめた」「月のリング」など、思わず共感してしまう。そして何といってもはずせない「The Eternities」。コンサートでも定番化している。
とにかくまず聴いて欲しい必聴盤。



『The Remixes MIHO NAKAYAMA MEETS New York GROOVE』
'97.12.3発売 キングレコード
PRODUCED BY ARTY SKYE FOR SKYEWARD PRODUCTIONS
(1)ANGEL SOUL (2)小さな太陽 -CARROT RED (3)The Eternities
(4)SHINING FOR YOU (5)You're My Only Shinin' Star (6)遠い街のどこかで

アレンジ盤と聞いてあまり期待していなかったアルバム。その前に出ていた「Groovin' Blue」の曲を中心にニューヨークでRemixされた。聴いてみて、びっくりである。かなり雰囲気が違ってきている。当たり前だが、アレンジがアメリカ的。歌い直しはないのに、こんなに変わるものかと感動さえ覚えた。
ラップが入るのが個人的に好きなので、「ANGEL SOUL」「The Eternities」が特にお気に入り。全体にとてもカッコいい仕上がり。
ジャケットも「Groovin' Blue」のアレンジだが、色使いの変え方が「Remix盤」を感じる。秀作。



『The Remixes MIHO NAKAYAMA MEETS Los Angels GROOVE』
'98.1.9発売 キングレコード
PRODUCED BY JASON MILES FOR KBC MANAGEMENT CORP./ MEECH WELLS FOR M&M PRODUCTIONS
(1)LOVE FOR YOU (2)Sea Paradise -OLの反乱- (3)Blue Stone
(4)付和雷同 -WHAT↑I↓DO (5)I Know (6)Treasure

これも「New York GROOVE」に続いて発売されたRemix盤。ロスアンジェルスでのアレンジということで、ニューヨーク盤ともまた違ったどことなく大人の雰囲気。前作同様、リズムが強調されて自然に体がリズムをとる感じ。
「Sea Paradise」の独特な雰囲気にも魅力を感じるが、「付和雷同」の音の拡がりもなんだか心地いい。
そしてそして。一番気に入っているのは、「I Know」。この曲の妙な大人っぽさが素敵に表現されている気がする。味のあるアレンジ。
アレンジ盤ではあるが、原曲をそのまま新しいものとして楽しめる。たまには、こういう企画も面白い。



『OLIVE』
'98.6.10発売 キングレコード
(1)NAME (2)Fiance〜あなたのok わたしのyes (3)Labyrinth (4)EL NINO (5)Oliveの呟き (6)Baby Pink Moon
(7)コワレタライム (8)少年の瞳-For Knack (9)Talk to 彼の匂い (10)MISS YOU (11)Daddy (12)Jasmine〜しあわせなこころ

R&Bからラテンまで多彩な曲調が盛り込まれたアルバム。曲調の多彩さは普段から聴いている曲の趣味の広さ。特に好きなのは、ミニー・リパートンら海外の女性ボーカルだそうだ。1970年代の彼女らの声とサウンドが好きで、あんな歌を歌いたい、そんな思いから実現したのが「NAME」である。作詞はほとんど自分で手がけているが、どの曲もメロディー自体に意味が感じられて、とても苦労したらしい。「言葉をのせて、別の意味にしてしまうのがもったいないようだったから」。その苦労の表れが「コワレタライム」。「スキャットというわけにもいかないので、とことん無意味な言葉を並べて遊んでみました」とは本人談。
一番最初に耳に残ったのは「Labyrinth」、妙に頭に残るメロディ。ボサノバ調の「MISS YOU」もたまらない。「NAME」は聴けば聴くほど味が出る。中山さんの詞は大好きなのだが、「コワレタライム」には正直ハマった(笑)。「Baby Pink Moon」には力をもらった。一番共感したのは「Fiance」、「見慣れた景色も、あなたとずっと一緒ならば同じものなど何もない」なんて、女の子なら誰でも一度は体感してるんじゃないかなぁ〜(笑)。



『manifesto』
'99.9.16発売 キングレコード
(1)ESPRESSO'n'Milk (2)あきるまで (3)ビジソワーズフラワー
(4)SEVILLANA (5)Sweetest Lover (6)Mark (7)Simple Things #22

リトル・クリーチャーズをパタンナーとして迎え、随所に実験的な要素を盛り込んだアバンギャルドな1枚。変則的に変わるビートのパターンや浮遊感のあるメロディ。彼女のボーカルも、今回はメインというより楽器の一部的な感覚で創られている。歌詞にもメッセージ性は薄く、かなり抽象的で自然に流れていく感じ。「部屋の隅の小さなラジカセから日常のBGMみたいな感じで流れてたらいいな」とはとあるラジオでの本人の言葉。今までの中で一番思い描いていた通りの音がそのままできあがった、中山美穂の「今」がつまったアルバムである。
今までの「中山美穂」を聴いてきた人たちには、多少のとまどいがあるかもしれない。ファンの中でも賛否両論、話題を呼んでいる。私は結構気に入っているが、「あきるまで」にはかなりとまどった。普通、曲を聴くとき、次にこの音は来ないだろうっていう流れがあるが、それを見事に裏切ってくれる、そんなメロディ。最初に一番耳に残るのは「ビジソワーズフラワー」。このサビの部分の不思議な感じは妙にハマる。「SEVILLANA」の暗号のようなスペイン語も頭の中で鳴っている。そして、静かな終わり「Simple Things #22」。「今よりもっとうまくできる 明日はきっと楽しくなる 何も心配ないよ」一日を安らかに終われる瞬間…。先入観を捨てて、新たな気持ちで聴いてみてって感じかな(笑)。



OVER THE MOON